知っておくとトクをする住まいづくりの基本をプロが教えます!初めての住まいコラム!
スミタス建築コンペ プロデューサー/一級建築士 中島 正晴

スミタス建築コンペ
プロデューサー/一級建築士
中島 正晴

1957年 函館市生まれ。
1980年 株式会社 志賀建築設計事務所入社。
1983年株式会社 スイス設計入社。
1989年 有限会社 中島建築設計事務所設立 代表取締役

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住まいづくりで最初にするべきことは?

ご夫婦で「住まいづくりで一番実現したいことは何か?」を話し合って、決めておくことではないかと思います。

例えば、「暖かい家」「家族がなかよく暮らせる家」「子供がのびのびと遊べる家」などの家族全体で実現したいことがお答えとして返ってきます。

次に「ご主人、奥様のそれぞれの出来れば実現したいこと」を伺うと、ご主人からは「ダーツを家でしたい」「個室でなくてよいので音楽をゆっくり聞きたい」「ハンモックを居間に吊るしたい」など趣味、嗜好等の要望が返ってくることが多いです。

奥様からは「子育てしやすい、どこでも目がとどく家」、「子どもといっしょに料理を作りたい」「趣味の手芸や工芸ができる場所が欲しい」「猫ちゃんが昇る棚が欲しい」「資格試験などのちょっと勉強できるところが欲しい」「共働きなので家事を効率的にしたい」など子育て、ペット、共働きならではの要望などが返ってきます。

住まいづくりでは、あれもしたい、これもしたいとたくさんの要望があるのが普通です。それをご予算との関係で優先順位をつけて整理していく必要があり、中にはできないこともでてきます。この「一番実現したいこと」は是非、実現していただきたいと思います。限られたお金をどこに使っていくか?設計を依頼された住宅メーカーの設計者が最も聞きたいところです。

具体的な土地選び、建築プラン、建築会社選びの前にしてもらいたいことは?

それは、資金計画です。建築相談はその後でなければ、なかなか具体的なアドバイスができません。この部分は、資金計画のプロである信頼できるファイナンシャルプランナーのアドバイスを受けて、銀行から借りられるお金や無理なく返済できるお金を把握しましょう。現在の家計の状況把握から今後予想される生涯プラン、その時にかかるお金なども算出し安心できる資金計画を作ってもらえます。

資金計画が済んだあとには?

住まいづくりに使える全体の総予算がわかったところで、その総予算を大きくは購入する土地にいくら使おう、建築する家にいくら使おうと土地と建物に振り分けをすることになります。ここからは、建築士と不動産取引の担当者のアドバイスが有効になってきます。

土地の価格は住みたい場所で大きく変わってきます。「今まで住んで慣れ親しんだ場所」、「親御さんの家と近い場所」「仕事場への通勤に無理のかからない場所」「比較的新しい街並みの場所」「小学校や公園の近く」など、いろいろな要望があると思いますが、要望に見合った場所を価格とのバランスを考えて見つけていくことになります。土地には住宅メーカーさんが分譲している建築条件付きの土地と建築会社を選ばないフリーの土地とがあります。

気に入った住宅メーカーさんが分譲している場合で、希望した場所で建物を含めた予算にも合致している場合は建築条件付きの土地もよいと思います。自由にこれから建築会社を選んでいきたい場合はフリーの土地を選んでください。

例として銀行からの借入金、または自己資金を合わせた総予算が仮に3000万円の場合、土地に800万円、建物に2200万円、あるいは土地に1000万円、建物に2000万円などと振り分けるような計算をすることになります。

土地にいくら使うか?建物にいくら使うか?この振り分けは、自分の希望する家がいくらくらいで建てることができるかがわかって初めて、安心して振り分けができます。でも、自分の希望する家はどのくらいの予算で可能なのかは、なかなか自分だけでは判断しにくいものです。ここで是非、建築士に建築相談を受けてもらえればと思います。

しっかりと予算の振り分け計画が済んでから土地を購入してほしいと思います。気に入った土地をちょっと無理して購入してしまった後から、希望する家の建設予算が足りなくなってしまったということがないようにしたいものです。

それから、建築士に聞けることとして、この土地では建物はどういうような建物が建てられそうか?と言うことも土地の方位や道路との取りつき、隣接の建物の状況などを伝えると土地利用の可能性を教えてもらえます。

住宅メーカーにプラン提案を依頼する前に

住まいづくりで実現したいことを家族で話し合った後は、もっと詳しく自分たちの要望を整理してノートに書くとよいでしょう。

どのような項目を整理しておくとよいかを列記したいと思います。

家族構成
家族それぞれの生活の時間帯
(食事の時間、休日の過ごし方)
家族の趣味
家族全体で一番実現したいこと
ご主人が出来れば実現したいこと
奥様が出来れば実現したいこと
外観のイメージ
(気に入ったイメージを雑誌から切り抜き)
インテリアのイメージ
(気に入ったイメージを雑誌から切り抜き)
各室毎の要望
(玄関、居間、階段の上がり位置、台所、食堂、洗面脱衣、寝室、子供室等)
外構についての要望
(カーポートやウッドデッキなど)

省エネ性能と耐震性能についてはグレードの差があります。グレードに応じてコストアップもしますので、よく住宅メーカーと相談して決めていきたいところです。

省エネ性能については平成25年度省エネ基準が標準ですが、ワンランク上として認定低炭素住宅レベルがあり、年間消費エネルギー量を10%以上少なくすることができます。特に暖房費の節減は寒冷な北海道では大きな効果を生みます。

耐震性能については、耐震等級1が大地震のときに一応倒壊しない建築基準法レベル、耐震等級2は耐震等級1で想定する地震の1・25倍に耐えるレベル、耐震等級3は1・5倍に耐えるレベルです。

最近の家ではいろいろな工夫が雑誌に紹介されていますので、自分が気に入った工夫も切り抜いておくとよいでしょう。

例えば、コート掛け・ベビーカー置き兼用のシューズクローク、洗濯物を干した後、すぐ収納することもできる脱衣洗面室、台所を中心とした回遊動線、子供が本など読める中2階、腰かけられる高さの小上がりのある和室、食器棚用の大きな引き戸、自然冷房食品庫、外部ドアのついた生ごみの一時置き庫、除雪の楽な玄関廻り、などなど。

最後に

家族でいろいろと話し合って、いっしょにモデルハウスなども見学したりして住まいづくりの過程も楽しんでいただければと思います。